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title: 日本の社員に株式を渡すなら、退職時の扱いを先に書く｜佐藤伸明
description: 米国のソフトウェア会社の元社員三人が、レイオフの最終勤務日が株式の権利確定日の数日前に置かれ、百万ドル近い株式を失ったとして提訴した。日本法人の社員にRSUやオプションを渡す前に、退職時の権利確定の扱いを日本語の契約に書く。
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# 日本の社員に株式を渡すなら、退職時の扱いを先に書く

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本社が日本法人の中核社員にRSUを付与した。四年で権利確定、毎年一回ずつ。三年目、本社の再編で日本側でも二人を減らすことになった。HRが日付を計算する。最終勤務日を3月31日にすれば三回目の株式は渡さなくてよい。4月15日にすれば渡す。そこで3月31日に決めた。本社から見ればごく普通のコスト管理だ。ところが日本では、これが労働審判になる。しかも、会社側がかなり勝ちにくい種類の審判に。

この点について、いま米国で進んでいる訴訟が、ちょうど問題の形をはっきり描いている。

## 十日の通知と二か月の通知

2026年春、ある大手ソフトウェア会社がAIを名目とする再編を行い、カリフォルニアの本社所在地で三百人以上を削減し、3月31日に通知した。削減された社員の多くは二か月以上の通知期間を得て、会社は退職日を6月5日まで延ばし、その期の株式の権利確定を完了させた。リモート勤務だった三人の社員は、自分たちの通知は約十日で、最終勤務日は4月10日、その日付はRSUの権利確定日の直前に落ちていたと主張する。三人が失った株式は合わせて百万ドル近い。会社が示した退職金は、彼らの言い分では株式の価値より数千ドル少なかった。三人は退職合意書への署名を拒み、二万六千ドル余りの法定分を受け取って、10月7日にカリフォルニア州アラメダ郡の裁判所に提訴した。

現時点では、これは原告の主張にすぎない。会社は回答しておらず、裁判所の判断も出ていない。会社がなぜ二つのグループに異なる通知期間を与えたのか、私は知らないし、株式と無関係な理由があったのかもしれない。

ただ、理由が何であれ、この事件から見える構造は単純だ。株式の権利確定は日付で起きる。退職日も日付だ。二つの日付を誰がどんな原則で決めるのかが書かれていなければ、どちらかが必ず「相手が計算した」と考える。

3月31日再編の通知本社所在地で三百人超4月10日リモート勤務の三人の最終勤務日通知は約十日4月中旬原告の主張：RSUの権利確定日はその数日後6月5日他の削減対象者の退職日権利確定の完了後まで延長Redwood City Pulse の報道に基づく原告側の主張。会社は回答せず、判決は出ていない

**Fig.1**同じ再編で二つの退職日。原告は、その差がちょうど権利確定日の両側に落ち、百万ドル近い株式を失ったと主張する。

## 日本法人での形

日本に持ってくると、この問題の形は三か所で変わる。どれも、「先に書いておく」ことの重みを増す方向に変わる。

まず、解雇そのものが難しい。日本の解雇には客観的に合理的な理由と社会的相当性が要り、整理解雇にはさらに四つの要件（必要性、回避努力、人選の合理性、手続きの妥当性）がある。外資の「レイオフ」の多くは、日本では実際には退職勧奨、つまり合意退職として進む。合意退職の退職日は交渉で決まるもので、会社が一方的に置くものではない。日付を権利確定日の直前に置けば、相手の弁護士が最初に聞くのは、なぜその日なのか、だ。[外資のレイオフで日本の社員が持つ権利](https://nobusato.jp/ja/blog/foreign-company-layoffs-your-rights-in-japan?hsLang=ja)も参考になる。

次に、言葉の問題がある。株式制度の文書はたいてい英語で、本社所在州の法律に従い、「未確定部分は雇用終了時に失効し、会社は何の義務も負わない」と書いてある。一方、日本の労働条件は書面で明示されなければならず、日本の裁判所が見るのは、その人の日本での雇用関係だ。社員が読めず、誰も説明していない英語の制度文書が日本の裁判所でどこまで効くか、私は保証できない。

そして税である。外国親会社からのストックオプションは、2005年の最高裁判決で行使時に給与所得として課税されると確定した。RSUは権利確定時に給与所得になる。つまり社員は確定の年に少なくない税を払う。一方で確定前に退職を求められれば、保有期間のリスクをすべて負ったうえで、受け取るのはゼロだ。日本の社員がこの構造を理解している度合いは、本社が思っているよりかなり低いことが多い。だから、あとで知ったときの怒りも大きくなる。

## 渡す前に書いておくこと

会社が始めた退職のとき、権利確定をどう扱うか。いちばんきれいな書き方は、会社が始めた退職（退職勧奨を含む）では退職日を直近の権利確定日より前に置かない、または直近の一回分を按分して前倒しで確定させる、だ。この一条は、日付で計算する余地を、あらかじめ手放しておくことに等しい。代償は少しの株式で、得るのは、労働審判で「なぜ3月31日なのか」を説明しなくて済むことだ。安い買い物だと思う。

社員が自分から辞めるとき、どう扱うか。こちらは厳しくてよい。未確定分の失効は業界の慣行で、日本の社員も受け入れる。ただし「退職日」が最終出勤日か雇用契約の終了日かは書く。日本では両者のあいだに一か月の有給消化期間が入ることが多く、その一か月が権利確定日をまたいだら、数えるのか数えないのか。書いておかなければ、まず間違いなく争いになる。

日本語で書き、雇用契約の付属文書に入れ、入社時に一度説明する。英語の制度文書を翻訳するのではない。何を、いつ受け取り、どんな場合に受け取れず、どんな税がかかるかを一枚で示す。この一枚は会社も守る。社員が知っていたことの証拠になるからだ。[オファーを三本の線で読む](https://nobusato.jp/ja/blog/read-your-offer-in-three-tracks?hsLang=ja)も参照してほしい。

最後は本社に向けた話になる。株式が日本法人で人を留める道具であることは、他国と変わらない。違うのは、日本では株式条項をめぐる一度の「計算」が半年でオフィス全体に伝わり、十年は語り継がれることだ（日本のオフィスの記憶力は、たいていの人事システムより長持ちする）。[四つの関係と報酬の設計](https://nobusato.jp/ja/blog/four-relational-models-and-pay-design?hsLang=ja)で書いた、報酬は関係の表現だという話は、ここでとくに当たる。権利確定日の十日前に人を去らせることが何を表しているのか、残った全員がちゃんと聞き取っている。

本稿は公開報道と一般的な原則を整理したもので、法的助言や税務上の助言ではない。株式制度の具体的な設計は日本の弁護士、税理士、社会保険労務士に相談してほしい。記載の訴訟は原告側の主張であり、会社は回答しておらず、判決は出ていない。

参考

- [Redwood City Pulse: Lawsuit: Ex-employees claim Oracle layoffs cheated them of $1 million in company stock (2026-10-23)](https://www.rwcpulse.com/news/2026/10/23/lawsuit-ex-employees-claim-oracle-layoffs-cheated-them-of-1-million-in-company-stock/)

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© 2026 佐藤伸明

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