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title: 手元の内定に五段階判定をかける｜佐藤伸明
description: 人岗匹配の五段階判定は、候補者が自分の内定を見るのにも使える。先に一票否決の項目を確かめ、次に上司・仕事・報酬・ステージの四層のうち最も弱い層で結論を決める。署名前に労働条件通知書の「変更の範囲」も確認したい。
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# 手元の内定に五段階判定をかける

[佐藤伸明](https://nobusato.jp/ja/profile?hsLang=ja)

![内定の五段階判定：一票否決の項目を確認し、四層のうち最も弱い層が結論になることを示す図](https://nobusato.jp/hs-fs/hubfs/five-level-check-on-your-offer-ja.png?width=1200&height=630&name=five-level-check-on-your-offer-ja.png)

内定の連絡をもらった夜は、たいてい判断が甘くなる。何度も面接を重ね、ようやく「ぜひ来てほしい」と言われたのだから無理もない。ただ、その数週間、会社の側は候補者を一つの物差しで測り続けていた。同じ物差しを、今度は手元の内定に当ててみてもいいと思う。

採用の現場で私が使っている人と役割の適合の見方は、「非常に合う・合う・普通・合わない・まったく合わない」の五段階で判定する。先に一票否決の項目を確かめ、それに当たらなければ、四つの層のうち最も弱い層で結論を決める。平均はとらない。これは会社が人を見るための道具として作ったものだが、向きを変えれば、候補者が内定を見るための道具にもなる。

## なぜ内定にも五段階判定が使えるのか

判定の構造が、どちらの向きにも成り立つからだ。会社は「この人の核・行動様式・装備・状況は、この役割と合うか」を見る。候補者は「この役割の上司・仕事の中身・報酬の構造・会社のステージは、自分の四層と合うか」を見ればいい。

自分の側の四層は、[転職前に自分を四層で描いておく話](https://nobusato.jp/ja/blog/four-layer-self-portrait-before-changing-jobs?hsLang=ja)で書いた。内定の判定はその続きにあたる。自分の絵がないまま内定を眺めても、年収と社名しか目に入らない。

私自身、エンジニアから人事に移ったときの面接は、一つの問いだけを確かめるものだった。人事の経験がない人の今ある力で、この役割が回るのか。面接全体が、その確認に費やされていた。あのとき私の側には、同じくらい明確な問いがあっただろうか。いま振り返ると、そこまでは持っていなかったと思う。

## 最初に見るのは一票否決の項目

一票否決の項目とは、ほかがどれだけ良くても、それ一つで「まったく合わない」になる条件のことだ。候補者の側では、だいたい次のようなものになる。

一つは、自分の核にあるものを、この役割が構造的に与えられない場合。たとえば自分で決めることが核にある人が、意思決定がすべて海外本社にある日本法人の役職に就く。肩書がどれだけ立派でも、それは後から変わらない。

もう一つは上司の赤信号だ。面接で部下の話になると前任者を責める、こちらの質問に答えずに自分の話を続ける。こうした兆しは、入社後に薄まるより濃くなることのほうが多い。[会社より上司を選ぶ](https://nobusato.jp/ja/blog/choose-your-boss-not-the-company?hsLang=ja)という話にも書いたとおり、日々の仕事の質は上司でかなり決まってしまう。

そして、受け入れられない転勤や配置転換の可能性。家族の事情で東京を離れられない人にとって、「全国の支社への異動あり」は、他の条件と相殺できる話ではない。

否決の項目は人によって違うし、多すぎてもいけない。三つも四つも並ぶようなら、それはもう否決というより希望の一覧だ。

## 四つの層は、面接で聞いたことから組み立てる

否決に当たらなければ、内定の側を四つの層に分けて、それぞれ五段階で置いてみる。材料は面接で聞いたこと、見たことだ。

**上司とチーム**は、自分の行動様式と向き合う層だ。プレッシャーがかかったときに自分がどう動くかと、上司が何を求めるかが噛み合うか。面接官の誰が直属の上司になるのか、ここが曖昧なまま内定に進む例は意外に多い。

**仕事の中身**は、自分の装備と向き合う層だ。求人票の言葉より、面接で「入って最初の三か月で何をしてほしいか」と聞いたときの答えのほうが当てになる。答えが具体的なら、役割はある程度固まっている。

**報酬の構造**は、金額より形を見る。等級で決まる基本給、担う責任で決まる部分、成果で決まる賞与。それぞれの割合と、誰がどう決めるのか。自分の核がお金より成長や裁量に寄っている人ほど、ここを金額だけで見て後悔しやすいと感じている。

**会社のステージ**は、自分の状況の層と向き合う。立ち上げ期か、拡大期か、守りに入った時期か。同じ肩書でも、ステージが違えば一年目にやることはまるで違う。

一票否決の項目 核と構造的にずれる 上司の赤信号 受け入れられない転勤 一つでも当たれば まったく合わない 当たらなければ右へ まったく合わない非常に合う 上司とチーム 仕事の中身 報酬の構造 会社のステージ 最も弱い層 ＝判定は「合わない」 平均すれば「合う」に見えるが、平均はとらない

**Fig.1**一票否決に当たらない内定でも、四層のうち最も弱い層（ここでは報酬の構造）が判定を決める。三つの層が強くても、平均で「合う」とは読まない。

## なぜ最も弱い層で決めるのか

入社後の不満は、いちばん弱いところから漏れてくるからだ。仕事が面白く、上司とも合い、会社も伸びている。それでも報酬の決まり方が不透明なら、二年目の評価面談のたびにそこへ戻ってくる。ほかの層の良さが一つの弱さを打ち消してくれることは、思っているより少ない。

これは[不採用の理由を読む話](https://nobusato.jp/ja/blog/reading-a-rejection?hsLang=ja)と裏表になっている。会社が候補者を落とすときも、たいていは否決の項目か、最も弱い層のどちらかで決まっている。同じ論理で内定を見ると、浮かれた夜でも少し冷静になれる。

最も弱い層が「普通」なら、その内定は「普通」だ。それでも受ける理由はいくらでもある。大事なのは、「普通」だと分かったうえで受けることだと思う。

## 労働条件通知書を受け取ったら

判定の材料が足りない層は、署名の前に聞けばいい。内定後は、候補者が質問しやすい数少ない時期でもある。

まず、労働条件通知書（または雇用契約書）を署名前に受け取り、「就業場所」と「業務」の欄を見る。厚生労働省によると、2024年4月1日に改正労働基準法施行規則が施行され、すべての労働者について、労働契約を結ぶときに就業場所と業務の「変更の範囲」も明示することになった。[厚生労働省の案内](https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_32105.html)では、この「変更の範囲」を、雇入れ直後だけでなく将来の配置転換などの見込みも含めた、契約期間中に変わり得る範囲と説明している（[同省の資料](https://www.mhlw.go.jp/content/001114110.pdf)）。同じ時期から、求人の募集時にもこの範囲を示すことが求められている。2026年10月時点の情報だ。

「雇入れ直後：東京本社、変更の範囲：本社および全国の支社」と書いてあれば、転勤の可能性は紙の上で認められている。否決の項目に関わるなら、ここで聞く。実際にどのくらいの頻度で異動があるのか、本人の同意はどう扱われるのか。転勤を断れるかどうかの一般的な整理は[転勤を断れるのかという記事](https://nobusato.jp/ja/blog/can-you-refuse-a-transfer-in-japan?hsLang=ja)に書いた。ここで書いているのは一般的な情報で、法的な助言ではない。個別の事情は労働基準監督署の総合労働相談コーナーや弁護士に相談してほしい。

次に、報酬の内訳。基本給、手当、賞与の決め方、固定残業代が含まれているかどうか。金額が同じでも、構造が違えば数年後の手取りの伸び方は変わる。

そして、上司ともう一度話す機会。面接は会社が候補者を見る場だったが、内定後なら候補者が上司を見る場にできる。前任者がどうなったのか、最初の半年で何を期待しているのか。答えの中身と同じくらい、答え方を見ておく。

ただ、候補者の側の判定は、会社の側よりずっと材料が少ない。会社は書類と数回の面接、場合によってはリファレンスまで使って候補者を見る。候補者の手元にあるのは、数時間の会話と求人票、労働条件通知書くらいだ。最も弱い層の見立てそのものが外れていることは十分ありうるし、いまの職場にとどまれない事情がある人には、「最も弱い層で決める」は厳しすぎるかもしれない。

判定は、それでもしておいたほうがいいと思っている。「普通」の内定を承知で受けるなら、どの層がいちばん弱いかはもう分かっている。入社した週に最初に手を打つ場所が、署名の前から決まっているということだ。

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