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title: 外資のリストラが日本法人に来たとき、社員にできること
description: 退職勧奨は断れる。PIPの記録、労働契約法16条と整理解雇の四要素、会社都合と自己都合の失業給付の差（2025年4月から給付制限1か月）、合意書を即日署名しない理由、労働審判までを人事の立場から整理する。
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# 外資のリストラが日本法人に来たとき、社員にできること

[佐藤伸明](https://nobusato.jp/ja/profile?hsLang=ja)

![外資系日本法人のリストラで社員が知っておきたい権利を整理した図](https://nobusato.jp/hs-fs/hubfs/foreign-company-layoffs-your-rights-in-japan-ja.png?width=1200&height=630&name=foreign-company-layoffs-your-rights-in-japan-ja.png)

上司と人事の連名で、三十分の面談が入る。議題欄は空いたままだ。外資系の日本法人で働いていると、本社のグローバルな人員削減は、こういう形で個人に届くことがある。そのとき最初に知っておきたいのは、日本では退職勧奨は断れる、ということだ。

私は人事の側に長くいるので、会社側にも事情があることはよく分かる。本社が決めた削減数を、日本法人は日本の法律の中で実行しなければならない。難しいのは、本社の言葉、たとえば「このポジションはなくなった」「今日が最終日」がそのまま日本に持ち込まれ、社員の側も「そういうものか」と受け止めてしまう場面だ。日本のルールは、そこがかなり違う。

## 退職勧奨は断れるのか

断れる。退職勧奨は会社が「辞めてもらえないか」と持ちかけることで、法律上は労働契約を終わらせる申込みにあたる。承諾するかどうかは本人の自由で、承諾しなければ契約はそのまま続く。厚生労働省の[「スタートアップ労働条件」Q&A](https://www.startup-roudou.mhlw.go.jp/qa/zigyonushi/kaiko/q8.html)も、この整理で説明している。

ただし、勧奨すること自体が違法なわけでもない。問題になるのは、やり方が本人の自由な意思決定を妨げるところまで行ったときだ。

基準としてよく引かれるのが、下関商業高校事件の最高裁判決（1980年7月10日、第一小法廷）である。応じないとはっきり伝えた教員に対し、短い期間に多数回・長時間の勧奨を重ねたことが違法とされた。厚労省の[ハラスメント対策サイトの判例解説](https://www.no-harassment.mhlw.go.jp/judicail-precedent/6)では、勧奨は約3か月で11回程度、慰謝料は5万円と紹介されている。明確に拒否した後も執拗に繰り返した勧奨を違法とした日立製作所事件（横浜地裁2020年3月24日）のような近年の例もある。

反対側の例が、日本IBM事件（東京地裁2011年12月28日）だ。この事案では、手厚い退職支援を用意したうえで面談を続けたことが社会通念上許される範囲を超えていないとされ、社員側の請求は棄却された。あくまでその事案の事実関係での判断だが、一度断れば会社は二度と話を持ち出せない、というわけではないことは押さえておきたい。

実務としては、断るなら「辞めるつもりはありません」と言葉ではっきり伝え、日時、出席者、言われた内容をその日のうちにメモしておくとよい。勧奨が行き過ぎたかどうかは、回数、時間、言葉の中身で判断されるからだ。

## PIPが始まったら

PIP（業績改善計画）は外資系でよく使われる。本来は改善のための仕組みだが、退職勧奨や解雇の前段階として使われることがあるのも、人事の世界では知られた話だ。

どちらの意味合いなのかは、目標の書き方にある程度表れる。期間内に届く具体的な目標と、上司の支援が書かれているか。達成基準が曖昧だったり、誰がやっても無理な数字になっていたりしないか。

法的に見ると、PIPがあれば解雇できるというものでもない。能力不足を理由とする解雇について、東京高裁の2013年4月24日の判決は、会社が改善を促し、反省と改善の機会を与えたか、今後の指導で改善が見込めるかを検討し、解雇を無効とした（厚労省の[労働法解説資料](https://roukeiseminar.mhlw.go.jp/assets/pdf/law_B_04.pdf)による）。PIPの記録は、会社にとっても社員にとっても証拠になる。

だから社員の側も、目標、面談の日時、受けた指示、出した成果物を残しておく。気持ちを書き留めるより、事実を淡々と並べたログの方が、あとで役に立つ。

## 会社はどこまで解雇できるのか

日本で解雇が難しいと言われる根拠は、[労働契約法](https://laws.e-gov.go.jp/law/419AC0000000128)16条にある。「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」本社の業績や方針で決まった削減でも、日本法人の社員を解雇するなら、この条文の審査を受けることになる。

経営上の理由による整理解雇は、裁判例の積み重ねから四つの要素で判断される。厚労省の[解説](https://www.startup-roudou.mhlw.go.jp/qa/zigyonushi/kaiko/q6.html)が挙げているのは、人員整理の必要性、解雇回避の努力（配置転換や希望退職の募集など）、人選の合理性、解雇手続の妥当性（十分な説明と誠意ある協議）だ。「本社がこのポジションをなくした」は一つ目の材料にはなるが、それで残りの三つが満たされるわけではない。

試用期間中なら簡単に辞めてもらえる、と考える会社もある。けれども本採用拒否も解雇として扱われることは、以前[試用期間中の解雇についての記事](https://nobusato.jp/ja/blog/probation-dismissal-in-japan?hsLang=ja)で書いた。

## 会社都合と自己都合で、失業給付はどう変わるのか

雇用保険の基本手当は、離職理由によって受け取り方が大きく変わる。以下は2026年10月時点のハローワークの案内に基づく。

退職勧奨に応じて辞めた場合は、原則として[特定受給資格者](https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_range.html)、いわゆる会社都合にあたる。ただし、以前から常設されている早期退職優遇制度に応募して辞めた場合は該当しない。特定受給資格者には給付制限がなく、7日間の待期のあとに支給が始まる。[所定給付日数](https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_benefitdays.html)も年齢と加入期間によって最大330日で、一般の離職者の最大150日より長い。

自己都合の場合は、7日間の待期に加えて給付制限がかかる。厚労省の[案内](https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000160564_00045.html)によれば、2025年4月1日以降の離職では、この給付制限は原則1か月に短くなった。過去5年間に2回以上、正当な理由のない自己都合退職で受給資格決定を受けていれば3か月になる。2025年4月以降にリ・スキリングのための教育訓練を受けた場合は、給付制限が解除される。

基本手当の支給が始まるまで（2025年4月以降の離職） 会社都合 特定受給資格者 支給開始 自己都合 正当な理由なし 給付制限 1か月 支給開始 受給資格決定日 待期7日 所定給付日数：会社都合は最大330日、一般の離職者は最大150日

**Fig.1**会社都合なら7日の待期のあとに支給が始まり、自己都合ならさらに原則1か月待つ。給付日数の上限も会社都合の方が長い（2026年10月時点、ハローワークの案内より）。

差は入金が1か月遅れるかどうかだけにとどまらない。給付日数が倍以上違うこともある。そして離職理由は、合意書の文言と離職票の記載で形が決まっていく。合意書に「一身上の都合により」と書かれていれば、後から実は勧奨だったと説明するのは骨が折れる。離職票の理由に納得できなければハローワークに異議を伝えることはできるが、最初から正しく書いてもらう方がずっと楽だ。

## 退職合意書は、その場でサインしない

面談の終わりに合意書を出され、「今日中に」と言われることがある。会社にも急ぐ事情はあるのだろうが、持ち帰って読みたいと伝えるのはごく普通のことだ。

読むときに見る場所は、それほど多くない。退職日と、それまでの勤務の扱い（出社不要の期間か、有給休暇の消化か）。割増退職金の額と支払日。離職理由がどう書かれているか。「本合意書に定めるほか債権債務はない」という清算条項の範囲で、未払いの残業代や賞与、株式報酬の権利確定がそこで消えないか。守秘義務や、転職先についての制限。

割増退職金は、交渉の余地があることが多い。ただ、相場の数字を私は持っていない。月数で語られることが多いものの、勤続年数、年齢、役割、会社の状況でばらつきが大きく、信頼できる統計も見つけられなかった。数字の当たりをつけるより、自分の論点を先に決めておく方が話は進みやすい。次の仕事が決まるまでの期間をどう見込むか。在留資格や社宅のように、会社に紐づいているものは何か。

強迫などによる退職の意思表示は民法96条で取り消せる場合もあるが、後から争うのは重い。その場で署名しない方がずっと安くすむ。

## 話がこじれたら、どこへ行けばいいのか

現実的な出口は労働審判だと思う。[裁判所の説明](https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_minzi/roudousinpan/index.html)では、原則3回以内の期日で終える手続で、2006年から2024年に終了した事件の平均審理期間は82.6日だった。多くは調停による話し合いでまとまる。件数や中身は[労働審判の記事](https://nobusato.jp/ja/blog/japan-labor-tribunal-cases?hsLang=ja)に書いたとおりで、解雇をめぐる事件がおよそ半分を占める。

地位確認を求めて申し立てながら、最後は解決金を受け取って退職に合意する、という終わり方も珍しくない。会社にとっても、長い訴訟より早い調停の方が合理的な場面は多い。

ここまで書いておいて何だが、徹底的に争うことがいつも社員にとっての正解だとは思っていない。本社が日本の法律をどこまで理解しているかは会社によってまるで違い、社員から見えないところで日本の人事が「その進め方は日本では通らない」と本社に押し返していることもある。逆に、そういう人が日本法人にいないこともある。どちらの会社にいるのか、外からはなかなか分からない。

なお、この記事は一般的な情報の整理で、個別の法律相談ではない。迷ったら、各地の[総合労働相談コーナー](https://www.mhlw.go.jp/general/seido/chihou/kaiketu/soudan.html)（無料、予約不要）か、労働問題に詳しい弁護士に早めに相談してほしい。

面談の三十分で決めなくていいことは、思っているより多い。残りたいのか、条件次第で次へ行きたいのか。それを自分の中で決めてから二回目の面談に臨めるかどうかで、話の行き先はかなり変わる。

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