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title: 推測しないための決まり：証拠・判断・設計｜佐藤伸明
description: 推測しないために、自分に課している決まりがある。証拠は事実の出どころ、判断は結論の書き方、設計は制度の決め方を扱う。もう一つ、採るかどうかの結論はAIに任せない。
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# 推測しないための決まり：証拠・判断・設計

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![推測しないための決まり：証拠・判断・設計｜証拠・判断・設計の段階ごとに、決まりを一つずつ置く](https://nobusato.jp/hs-fs/hubfs/covers-2026-10/method-principles-cover-ja-2026-10.png?width=1200&height=630&name=method-principles-cover-ja-2026-10.png)

いちばん推測が入り込みやすいのは、自分がいちばん自信を持っているところだったりする。推測しない、と口で言うのは簡単だが、やってみると難しいのはそこだ。

そこで、自分にいくつか決まりを課している。事実をどこから取るか、事実から結論をどう書くか、結論から制度をどう決めるか。段階ごとに一つずつだ。ほかのモデルはどれもこの決まりを参照していて、それぞれが別のルールを持つことはしていない。

## 証拠：見つからなければ「未開示」と書く

確かめられる情報だけを使う。事実の一つひとつに出典と日付をつけ、一次情報か、第三者の情報か、まだ確かめていないものかも書き分ける。

見つからなければ「未開示」と書き、推測では埋めない。最初は私も埋めたくなった。そのうち、見つからないこと自体が一つの発見だと思うようになった。ある数字を公開していない会社は、そのことで何かを語っている場合が多い。

いちばん大事にしているのは、主張と事実を分けることだ。会社が自ら出している利用者数やチームの規模、規程に書かれた決裁の流れ、求人票の要件、候補者の自己紹介。これらは公式サイトに載っていても、まず「主張」として記録する。実際に起きた出来事があるか、独立した出典と突き合わせられて、はじめて事実として扱う。

決裁規程があることと、実際に権限が委ねられていることは、別の話だ。本当の意思決定が何段を通ったかを見て、ようやくわかる。

矛盾に出会ったら、印をつけて残す。辻褄を合わせてあげる必要はない。同じ会社の二つのページで言っていることが違えば、それ自体が情報になる。営業向けのページと契約条項で逆のことが書いてあるのも珍しくなく、たいていは意図してそうなっているのだと思う。

情報源には格の違いがある。上からおおよそ、会社自身が出す拘束力のある文書、監査済みの記録や法定の記録、求人情報、代理店や提携先の資料、署名入りの報道、インタビューの順だ。インタビューで語られた具体的な出来事は、いつ、誰が、どうなったかがそろっていれば事実として扱える。本人の自己評価は扱わない。

## 判断：一文ごとに、出来事を一つ結びつける

「実行力がある」「戦略的な視点がある」「コミュニケーション能力が高い」とは、ほとんど書かない。情報が少なすぎて、読んだ人が使いようがないからだ（書きたくなる気持ちは、正直ある）。

書くのは程度と条件だ。どんな場面で、どう振る舞うか。たとえば「圧力が強まると統制を強め、任せなくなる」。これなら、どんなポジションに置けばいいか、何に備えておけばいいかが見えてくる。

判断には必ず具体的な出来事を一つ結びつける。結びつかないものは「要検証」として、結論には入れない。見えないところは空けておく。

空欄は、少なくとも正直だ。

結論を書くときは、それまでに埋めた内容しか引かない。前後で食い違いがあれば、別に書き出しておく。平均をとって消すことはしない。

## 設計：ルールごとに、効力を失う条件を書く

制度の一つひとつ、等級でも賞与の一段でも手当一つでも、どの事実や判断に応えているのかを言えるようにする。言えないものは足さない。

構造と数字は分けて置く。相場や料率は半年もすれば動く。制度の骨組みまで一緒に動く必要はない。だから方法には構造だけを書き、数字は別の場所に保存する。数字を変えても、構造には手を触れない。

それぞれのルールには、いつ効力を失い、どう外すかも書いておく。失効の条件がない手当は、一度払い始めると戻せない。そういう例を、私は少なからず見てきた。

## 採るかどうかは、AIに任せない

AIは便利だ。候補の一覧づくり、資料の整理、出来事の比較、ある会社の調査を同じ型で十社に広げる作業。どれも人より速い。私自身、毎日使っている。

それでも手放さないものがある。一覧に最終的にどの会社を残すか、この人を採るかどうか、判断のなかで否決にあたる一項目。どれも結果を誰かが引き受ける結論で、決めるのはその人であるべきだと思っている。

もう一つ、習慣にしていることがある。AIが広げた会社ごとの調査は、いくつか事実を抜き出して、元の出典に当たり直す。形式が整っていて出典もそろっているので、とても信頼できそうに見える。間違いを抱えたまま最後まで通ってしまうのは、たいていそういう資料だ。

この決まりは、このあとのどのページにも出てくる。最初に使うのは[二枚の地図](https://nobusato.jp/ja/blog/method-maps?hsLang=ja)を描くときだ。全体の流れは[方法論の全体像](https://nobusato.jp/ja/blog/method?hsLang=ja)にまとめてある。

方法論のページ

1. [全体像](https://nobusato.jp/ja/blog/method?hsLang=ja)
2. 三つの決まり
3. [二枚の地図](https://nobusato.jp/ja/blog/method-maps?hsLang=ja)
4. [四層](https://nobusato.jp/ja/blog/method-four-layers?hsLang=ja)
5. [人と職位の適合](https://nobusato.jp/ja/blog/method-fit-check?hsLang=ja)
6. [等級・手当・賞与](https://nobusato.jp/ja/blog/method-pay-tracks?hsLang=ja)

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