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title: 「場」でまとまる日本人と、機能別マトリクス｜佐藤伸明
description: 中根千枝の『タテ社会の人間関係』は、日本人は資格ではなく場で群れると書いた。グローバル企業の機能別レポートラインを日本法人に通すと、人を場から引き剥がすことになる。設計上の結論は一つ、日本では場を先に決め、線はあとで引く。
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# 「場」でまとまる日本人と、機能別マトリクス

[佐藤伸明](https://nobusato.jp/ja/profile?hsLang=ja)

![「場」でまとまる日本人と、機能別マトリクス](https://nobusato.jp/hs-fs/hubfs/tate-society-and-matrix-management-ja.png?width=1200&height=630&name=tate-society-and-matrix-management-ja.png)

**連載「人は組織図どおりには動かない」** · 第1回／全13回 · 第一部 · 人はどう群れるか  
序章：[組織図に載っていない人](https://nobusato.jp/ja/blog/people-not-on-the-org-chart?hsLang=ja)

本社がグローバルの機能別ラインを日本法人に通す。経理は地域 CFO に、マーケティングはアジア太平洋のマーケティング責任者に報告し、日本法人の社長には点線だけが残る。組織図は整っている。半年後、本社は日本で物事が進まないことに気づき、日本の社員は誰の指示を聞けばいいのかわからなくなっている。

誰かの能力の問題ではない。六十年近く前の本がすでに書いていたことだ。

## 資格ではなく、場で群れる

中根千枝は1967年の『タテ社会の人間関係』で、人が集団を作る二つの基準を分けた。一つは「資格」で、職業、学歴、専門など。もう一つは「場」で、所属する会社、部署、村など。欧米社会は資格による結びつきが強く、会計士はまず会計士で、次にどこかの会社の人である。日本社会は場による結びつきが強く、人はまず「どこどこの会社の人」で、会計はその場の中での分担にすぎない。

場で群れる組織は、縦（タテ）の関係で保たれる。上下のあいだの信頼と恩義が、横の同業者どうしの専門的な連帯よりはるかに重い。だから日本の会社では部門をまたぐ横の連携が昔から難しく、同じ部署の上下の結びつきは非常に強い。

この本には時代背景と批判がある。描いたのは高度成長期の大企業であり、一つの組織形態を国民性として語りすぎている、日本社会の内部の多様性を軽く見ている、という指摘は正当だと思う。私は国民性の断定としてではなく、経験則として使っている。日本の組織では、場の求心力が資格の求心力より強いことが多い。この経験則は、いまでもおおむね成り立っている。

## マトリクスは人を場から引き剥がす

グローバルマトリクスの論理は、資格で組織することだ。世界中の経理を一本の線に、世界中のマーケティングを一本の線にまとめる。資格で群れる社会ではこれは自然で、フランスの経理部長がシンガポールの地域 CFO に報告しても、本人の帰属意識はもともと「経理」にある。

日本で同じ線を引くと、起きるのは、人を自分の場から引き剥がすことだ。東京のオフィスに座り、毎日顔を合わせるのは日本法人の同僚なのに、上司は別の国にいて、評価するのは年に二回しか会わない人になる。場の中では外の人になり、線の上では遠い人になる。どちらの縦の関係も育たない。

グローバルマトリクス· 経理 → 地域 CFO（実線）· マーケ → APAC 責任者（実線）· 社長 → 点線人が場から外れる場を先に、線はあとで· 全員 → 東京の実線上司· 機能線 = 基準と方法（点線）· 連絡は法人トップ経由場が先に立つ

**Fig.1**二つの描き方。左は資格で組織し、日本では人を場から引き剥がす。右は法人を一つの場として立て、機能線は点線に下げる。

結果は二つのどちらかだ。一つは、実際には日本法人の社長の指示で動き、機能ラインは報告資料が流れるだけの経路になる。本社は管理しているつもりで、していない。もう一つは、本当に機能ラインだけを見るようになり、日本法人の中のことには関わらず、社長はその人を迂回して仕事を進める。その機能は日本法人の中で浮く。どちらもマトリクスが望んだ姿ではない。

## 設計上の結論：日本では、場を先に決める

私の提案は順序だ。まず日本法人を一つの完全な場として立て、トップが法人内の全員に対して実線を持つ。そのうえで、どの機能にグローバルの線が要るかを決め、その線は点線にする。

具体的には三つ。一つ、日本法人の全員に、東京にいる実線の上司を置く。機能上の相手が海外にいても。二つ、グローバル機能ラインの権限は基準と方法に限り、人事と日々の優先順位には及ばない。三つ、機能ラインからの連絡は法人のトップを通し、本人に直接指示を下ろさない。

こうして描いた図はグローバルマトリクスより「整っていない」が、日本では動く。法人が一定の規模になり、場の中に資格で分かれた専門家集団が育ってから、実線を少しずつ増やしても遅くはない。

## 診断への接続

私の組織診断モデルでは、これはパターンの層、報告線と影響線がどれだけ離れているかに当たる。マトリクスが日本で機能しないときの典型は、二本の線が大きく離れたまま近づかないことだ。二本の線の見つけ方は[組織図に載っていない人](https://nobusato.jp/ja/blog/people-not-on-the-org-chart?hsLang=ja)に書いた。あの記事を、この連載の序章として読んでもらえればと思う。

自社の日本法人の組織図で、実線の上司が日本にいない人は何人いるだろうか。

**連載**  
次回：[5人、15人、50人、150人。組織図を描き直すとき](https://nobusato.jp/ja/blog/dunbar-numbers-redraw-the-org-chart?hsLang=ja)

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