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title: 25号宇宙：餌は無限、それでも群れが崩れた理由｜佐藤伸明
description: カルフーンの25号宇宙は、餌も住まいも余ったまま2200匹で増加が止まった。原論文が描くのは過密より役割の不足である。解釈の争いを押さえたうえで、急に人が増えた組織で見るべき点を考える。
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# 25号宇宙：餌は無限、それでも群れが崩れた理由

[佐藤伸明](https://nobusato.jp/ja/profile?hsLang=ja)

![25号宇宙の実験で鼠群が2200匹で増加を止めたことを示す封面](https://nobusato.jp/hs-fs/hubfs/covers-2026-10/universe-25-role-scarcity-cover-ja-2026-10.png?width=1200&height=630&name=universe-25-role-scarcity-cover-ja-2026-10.png)

椅子取りゲームで困るのは、部屋が狭いことより、音楽が止まったときに座る椅子がないことだ。1960年代末、アメリカの研究者が、餌も水も住まいも十分にあるのに椅子だけが足りない世界をネズミでつくった。群れは2200匹で増えるのをやめ、そのまま減っていった。

動物行動学者ジョン・B・カルフーン（John B. Calhoun）の「25号宇宙」（Universe 25）と呼ばれる実験である。ネット上では「過密になるとネズミも人も狂う」という話でよく引かれる。

原論文を読むと、カルフーン自身が見ていたのは少し違うものだった。狭さより、役割の数である。組織の話としても、こちらのほうが身につまされる。

## 実験では何が起きたのか

1968年7月9日、カルフーンは米国立精神衛生研究所（NIMH）で、4つがい8匹のマウスを閉じた囲いに入れた。囲いは16区画に分かれ、巣箱は全部で256。一つの巣箱で15匹が楽に休める。論文の試算では、住まいが足りなくなるのは3840匹を超えてから、餌が制約になるのは9500匹からだった。

最初の104日は慣らしの期間で、その後に最初の子が生まれた。そこからは約55日ごとに倍増する。離乳後の個体が620匹ほどになったところで伸びが急に鈍り、倍増に約145日かかるようになった。560日目に増加は止まる。ピークは2200匹。生き残った最後の子が生まれたのは600日目だった。

あとは下り坂である。1972年6月22日の時点で122匹（オス22、メス100）。同年11月、論文の最終稿の段階で27匹。カルフーンは、最後のオスが1973年5月ごろに死ぬと見積もっている。論文「Death squared」は1973年1月、英国王立医学会の会報（Proceedings of the Royal Society of Medicine）に載った。

増加は2200匹で止まった。住まいも餌も、まだ余っていた

25号宇宙の段階ごとの日数と個体数。出典：Calhoun（1973）「Death squared」Proc. R. Soc. Med. 66巻

1. 0日目4つがいを入れる1968年7月9日。巣箱256個で3840匹までは住まいに困らない設計、餌は9500匹分
2. 104日目A期の終わり、最初の出産最初の104日は慣らしの期間
3. 104〜315日目B期：約55日で倍増離乳後の個体が約620匹で、伸びが急に鈍る
4. 315〜560日目C期：役割が埋まる倍増に約145日。余った若い個体が、埋まった社会のなかで役割を争い、あぶれた個体は引きこもる
5. 560日目以降D期：ピーク2200匹、あとは減るだけ生き残った最後の出産は600日目。1972年6月に122匹、11月に27匹

足りなくなったのは資源ではなかった。2200匹は、住まいの上限の57%にすぎない。

図1　25号宇宙は1968年7月に8匹で始まり、560日目に2200匹で増加が止まった。このとき巣箱は3840匹分、餌は9500匹分あり、カルフーンは315〜560日目の停滞を、若い個体が社会的な役割を得られなくなった時期として説明している。

## 足りなかったのは何か。カルフーンの答えは「役割」

論文の結論ははっきりしている。社会のなかで担える役割が先に埋まり、あとから育った世代の行き場がなくなった、という説明だ。

C期には若い個体の死亡率が低く、たくさん生き残った。自然界なら、居場所のない若い個体は外へ出ていける。囲いは閉じているので、出られない。カルフーンの言葉を借りれば、彼らは残るしかなく、すでに埋まった社会体系のなかで役割を争った。

あぶれた個体の様子は具体的である。一部のオスは身体的にも心理的にも引きこもり、床の中央に大きな群れになってたまった。そのなかで、ときどき攻撃し合う。一部のメスは、子育て中のメスが避ける上の段の巣箱に移り、子を産まなくなった。

そして、カルフーンが「美しいものたち」（the beautiful ones）と名づけたオスたちがいる。メスに近づかず、けんかもしない。行動はほぼ、食べる、飲む、眠る、毛づくろいの四つに収まった。何も争わないかわりに、何にも加わらない。

結論部で彼は、役割を果たす機会が、それを担える個体の数を大きく下回ると、暴力と社会の崩壊が続くと書いている。

## この実験は何の証拠になるのか

正直に言うと、たいした証拠にはならない。たとえ話としては優秀だが、根拠として引くには弱い。

まず方法の問題がある。科学誌 The Scientist の解説は、研究が観察と主観的な記述に頼っていたこと、ストレスホルモンのような定量的な測定がなかったこと、そしてこの実験が再現されていないことを挙げている。カルフーン自身も、これは通常の科学ではないと言っていた。

次に解釈の問題である。科学史家のエドマンド・ラムズデン（Edmund Ramsden）とジョン・アダムズ（Jon Adams）は2009年、Journal of Social History の論文で、世間に広まった「過密は病理を生む」という話は単純化された版で、カルフーン本人のもっと繊細で前向きなメッセージを覆い隠したと論じた。カルフーンは後年、人口の増加そのものを悪とは見なくなり、人間はアイデアと技術で「概念の空間」を広げられると考えるようになった。関心は接触の多さから、役割やネットワーク、創造性へ移っていった。本人の解釈も、時期によって動いているのだ。

ただし、カルフーンを人間への類推から完全に切り離すのも正確ではない。論文の第一文は「私は主にネズミの話をするが、考えているのは人間のことだ」である。当時から、擬人化が過ぎるという批判もあった。人間の過密に関する研究も、結果は一貫していない。

だから私は、この実験を問いの立て方として使い、答えとしては使わないことにしている。[管理職が好んで引く心理学実験](https://nobusato.jp/ja/blog/management-psych-experiments-replication?hsLang=ja)でさえ、やり直して残るものは多くない。25号宇宙は、やり直されたことすらない。

## 急に人が増えた組織で、何が起きやすいか

問いだけ借りるなら、こうなる。人の数が役割の数より速く増えると、組織では何が起きるのか。

海外企業の日本法人の立ち上げでは、こういう流れになりやすい。最初の一年は数人で、一人が一つの領域を持ち、誰が何に責任を持つのかが一目でわかる。二年目に本社から予算がつき、一気に二十人、三十人と採る。給与も机もパソコンもそろう。資源は足りている。足りないのは、一人が一つの仕事を最後まで持てる席である。

大きな職務の箱は最初のままで、箱のなかの人だけが増える。資源は増えたが、役割は増えていない、という状態だ。

そうなると、囲いのなかと似た現象がいくつか出てくる。

肩書きがインフレする。席が足りないぶんを肩書きで埋める。「マネージャー」「担当部長」が増えるが、部下はおらず、予算もなく、自分で決めてよいことも特にない。[組織図に載っていない人](https://nobusato.jp/ja/blog/people-not-on-the-org-chart?hsLang=ja)の裏返しで、組織図には載っているのに、中身のない席である。

若手に次の席が見えない。入社して一年半の人に、次はどの席を目指すのかと聞いても答えが出てこない。実際にないのだから当然だ。日本では、転職したい人に比べて実際に動く人がずっと少ない（[その差は以前に書いた](https://nobusato.jp/ja/blog/willing-vs-actual-job-changers-japan?hsLang=ja)）。出ていかず、上にも行けない。閉じた囲いにかなり近い。

境界のあたりで消耗が増える。二つの部署が同じ顧客を取り合い、一つの資料に三人が別々の意見を出す。誰かの性格の問題に見えるが、たいていは、本来誰かが持つべき領域に線が引かれていないだけだ。

そして「美しいものたち」。定時に来て定時に帰り、波風を立てず、メールの返信は速い。ただ、提案はしないし、前にも出ない。経営者はこれを静かな退職と呼びたくなる。私はむしろ、居場所を探し、見つからず、探すのをやめた人のサインとして読んでいる。本人の資質より、構造の問題であることが多い。

## 早めに気づくための観察点

人数を数えても、あまりわからない。数えるべきは役割である。四半期に一度、次のあたりを見ておけば足りると思う。

一人で一つの仕事を持ち、結果がその人に帰属する席がいくつあるか。人数との比で見る。人が一年で倍になったのに、この数が動いていなければ、すでにC期に入っている。

肩書きのついた人のうち、部下、予算、伺いなしで決めてよい事項の三つを持っている人が何人いるか。どれも持たない肩書きは、席の代わりに配られたものだ。

入社12〜18か月の人に「次の席はどこか」と聞く。答えられない人の割合は、離職率より半年早く問題を知らせてくれる。

会議の論点が「どうやるか」より「誰の仕事か」に寄ってきたら、境界が引かれていない。

手当ては地味だ。人を採る前に役割を切る。大きな職務を、一人で最後まで持てる責任の単位に分け、それぞれ何に責任を持ち、何を決めてよいかを書く。[人より先に職位を採点する](https://nobusato.jp/ja/blog/score-the-role-before-the-person?hsLang=ja)のと同じ順番である。

ネズミは囲いから出られないが、人は辞められる。この類推のいちばん大きな穴はそこで、私もそこはずっと気になっている。ただ、日本では転職したい人と実際に動く人の差が大きいし、先に動けるのはたいてい、いちばん仕事のできる人だ。残った人たちが、埋まった席のまわりで争い続けることになる。

だから、役割を切り出せないうちは、採用を待つ。

出典（2026年10月時点）

- [John B. Calhoun「Death squared: the explosive growth and demise of a mouse population」Proceedings of the Royal Society of Medicine 66(1), 1973](https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC1644264/)
- [Edmund Ramsden, Jon Adams「Escaping the laboratory: the rodent experiments of John B. Calhoun & their cultural influence」Journal of Social History 42(3), 2009](https://eprints.lse.ac.uk/59888/)
- [Edmund Ramsden「The urban animal: population density and social pathology in rodents and humans」Bulletin of the World Health Organization 87(2), 2009](https://scielosp.org/article/bwho/2009.v87n2/82-82)
- [The Scientist「Universe 25 Experiment」2022年（2024年更新）](https://www.the-scientist.com/universe-25-1968-1973-69941)

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