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title: なぜ行列は、一瞬で長くなるのか
description: 採用の返事が急に遅れ始めるのはなぜか。待ち行列理論のいちばん単純なモデルを、動かせる図とシミュレーションで見ながら、余裕を残すことの意味を考える。
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[佐藤伸明 Nobu Sato](https://nobusato.jp/home?hsLang=ja)

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2026.10.21

# なぜ行列は、一瞬で長くなるのか

![待ち時間が利用率とともに急上昇する曲線（待ち行列理論 M/M/1）](https://nobusato.jp/hubfs/queue-cover-ja.png)

採用の仕事をしていると、候補者からの「その後いかがでしょうか」が、なぜか同じ週に固まって届くことがある。誰かが手を抜いたわけでも、応募が急に倍になったわけでもない。少し忙しくなっただけで、返事が日単位で遅れ始める。

以前、2週間のうちに12の事業部から合わせて400件の面接依頼が来て、その日程調整を全部終わらせたことがある。平日だけで数えると1日40件ほどになる。あのくらいの量を抱えたときに何が起きているのかを考えるとき、私がいちばん役に立つと思っている道具は、待ち行列理論のなかでも一番単純なモデルだ。数式は一本だけ出てくるが、読み飛ばしても話は通じるように書いた。

036912いま（45人/時）3 分キャンペーン後・直感4 分キャンペーン後・モデル11 分

**Fig.1**45人/時から55人/時へ。客は2割増えただけなのに、平均の待ちは3分から11分になる。

## コーヒースタンドで考えてみる

話を簡単にするために、店員がひとりのコーヒースタンドを考える。店員は平均1分で1杯をつくるので、1時間なら60杯。午前中のお客さんは1時間に平均45人で、能力の4分の1は空いている計算になる。

ここで店長がキャンペーンを打ち、客が1時間55人に増えたとする。22%増だ。たいていの人は、待ち時間も2〜3割延びるくらいだと見積もる。計算してみると、平均3分だった待ちが11分になる。4倍近い。

## なぜそうなるのか

理由は二つある。お客さんは均等には来ないこと。それから、店員の空き時間は貯めておけないこと。

下の図は、ある24分間に16人が来た様子だ。平均すれば1分に1人もいないのに、3人がほぼ続けて入ってくる瞬間があって、列はそこでできる。一方で、同じ24分のうち合計8分は誰もいない。この8分ぶんの能力を、あとの混雑に回すことはできない。

到着調理中空き（失われる能力）待っている人数

0′4′8′12′16′20′24′到着カウンター行列123

**Fig.2**空き時間の合計 8 分。それでも最大 3 人が並び、最長の待ちは 2.1 分。

## 余裕が減ると、待ちは急に増える

これを式にしたのがM/M/1と呼ばれるモデルで、到着も処理時間もランダム、窓口はひとつという前提を置く。混み具合は利用率 ρ、つまり到着の速さを処理の速さで割った値で表す。平均の待ち時間は ρ/(μ−λ) で、分母がゼロに近づくほど跳ね上がる。

数字で見たほうが早いかもしれない。処理能力を60杯/時に固定すると、利用率50%で平均の待ちは1分、80%で4分、90%で9分、95%で19分。80%から95%に上げただけで、待ちはほぼ5倍になる。スライダーを動かして、赤い点がどこから上に逃げていくかを見てほしい。

ρ = λ / μLq = ρ² / (1 − ρ)Wq = ρ / (μ − λ)

客数 / 時**45**

利用率 ρ**75%**

平均行列 Lq（人）**2.3**

平均待ち Wq（分）**3.0**

1時間あたりの客数

余裕曲がり角急坂010203030%40%50%60%70%80%90%100%利用率 ρ →平均待ち（分）45/h55/h

| ρ | 平均行列 Lq（人） | 平均待ち Wq（分） | 区間 |
| --- | --- | --- | --- |
| 50% | 0.5 | 1.0 | 余裕 |
| 80% | 3.2 | 4.0 | 曲がり角 |
| 90% | 8.1 | 9.0 | 急坂 |
| 95% | 18.1 | 19.0 | 崩れる手前 |

**Fig.3**処理能力は60杯/時で固定。80%を超えたあたりから、曲線がはっきり立ち上がる。

## 実際の列は、平均よりもっと荒れる

式が出すのは平均だ。現実の列は、しばらく静かだったかと思うと急に伸びて、なかなか元に戻らない。下のシミュレーションは乱数でお客さんを来させている。客数を54人/時くらいにしてしばらく眺めていると、平均だけでは見えない荒れ方が分かる。放っておけば、実測の平均待ちは理論値に寄っていく。

経過（分）**0**

いま並んでいる人**0**

実測の平均待ち（分）**0.0**

理論値（分）**9.0**

1時間あたりの客数**54**

一時停止

リセット

このシミュレーションは JavaScript が有効なブラウザで動きます。

**Fig.4**乱数によるシミュレーション。1秒でおよそ6分ぶん進む。客数を変えると集計は最初からやり直しになる。

## 採用の現場に置きかえると

ここからが本題だ。採用担当の机の上にある仕事は、ほとんどが行列でできている。面接日程の調整、候補者への連絡、ハイアリングマネージャーの判断待ち、オファーの稟議。どれも到着はランダムで、さばく人の数は決まっている。依頼元が12の事業部あれば、それぞれが自分の都合で投げてくるので、到着はほぼランダムと考えていい。

私の見てきた範囲では、採用チームは稼働率で管理されることが多い。手が空いている人がいれば、もう1ポジション持ってもらう。この曲線を見ると、そのやり方がどこで行き詰まるかがよく分かる。稼働が9割を超えたチームに1件足すと、チーム全員の返事が遅くなる。候補者は、待たされた日数をよく覚えている。

「稼働率90%なら、まだ1割余っている」という言い方もよく聞く。平均で見ればその通りだが、そのとき平均の列は8人を超えていて、50%のときの16倍になっている。

人を増やせないなら、ばらつきを減らすしかない。面接枠を週の頭にまとめて押さえておく。依頼の書式をそろえて、1件あたりの処理時間のぶれを小さくする。どちらも能力は増えないが、曲線全体を下に押し下げる。ただ、ばらつきをゼロにはできない。処理時間を完全に一定にしても、到着がランダムなら平均の列は半分になるだけだ。だから余裕はやはり残しておく必要がある。

余裕のあるチームは、外から見ると楽をしているように見えることがある。私はむしろ、その余白が候補者体験を守っていると思っている。どこまで余白を残すべきかは仕事の種類で変わるはずで、正直なところ、まだ自分の中で答えが出ていない。目安をひとつ挙げるなら、この曲線が曲がり始める80%あたりだろうか。

モデルの前提：ポアソン到着、指数分布のサービス時間、窓口ひとつ、先着順。数値は μ = 60 杯/時 で計算。

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佐藤伸明 / Nobu Sato

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