きれいに辞める

辞めたいが、どう切り出せばいいかわからない。日本ではこれが他の国より少し難しく、代わりに切り出す業種が成り立つほどだ。退職代行。利用者の三割近くは理由を上司が怖いと答え、六割は上司が話しやすければ使わなかったと言う。数字は退職代行の記事に書いた。
この記事は、代行を使わない版だ。代行が悪いからではなく、日本の業界は狭く、辞め方は次の会社までついてくるからだ。
まず法律の部分
期間の定めのない雇用は、民法第627条で、解約の申し入れから二週間で終了する。就業規則に一か月以上と書いてあることは多く、法律上は二週間が優先するが、実務では就業規則に従うのが、面倒を避けるいちばん楽な道だ。退職に会社の承諾は要らず、会社は拒めない。
自己都合で辞めて失業給付を受ける場合、2025年4月から給付制限が二か月から一か月に短縮された。短期間に自己都合退職を繰り返していないことが条件だ。会社都合(解雇や退職勧奨)には給付制限がなく、差は大きい。自分の「退職」が実は会社から勧められたものなら、退職届を書く前に外資の人員削減、日本での権利を先に読んでほしい。
以上は一般的な情報で、法的助言ではない。個別の事情は労働基準監督署の無料相談か弁護士に。
順序:上司が最初、対面で、一言で
最初に知る人は直属の上司でなければならず、しかも対面(リモートならカメラをつける)。日本の職場の暗黙の規則では、上司が他人の口から部下の退職を聞くことは、退職そのものより上司を傷つける。貸し借りの帳簿に一筆が残り、それは伝わる。
言い方は一言。「退職を決めました。X月X日で退職したいと思います」。理由は言わないか、誰も責めない理由を一つだけ。日本の上司の多くは追及せず、追及されても同じことを繰り返せばよい。理由を多く話すほど、一つひとつが引き留めの足がかりになり、あとで上司が他人に語る版にもなる。
引き留めはある。多くは上司の本能で、会社の意思ではない。引き留めへの答えは一種類しかない。ありがとうございます、ただ決めました。引き留められて残った人が一年以内にまた辞める割合は高く、二度目に辞めるとき、帳簿はもう借り越している。
Fig.1四つの順序は入れ替えられない。一つ目を間違えると、あとの三つは埋め合わせになる。
時期:引き継ぎに十分な時間を、賞与と重ねない
申し出から退職日まで、慣例は一か月、管理職や専門職は一か月半から二か月が多い。長く取るほど、きれいに辞められる。会社との「貸し」であり、多めに渡せば覚えていてもらえる。
日付には二つの落とし穴がある。一つは賞与。日本の賞与の多くは支給日に在籍していることが条件で、支給日のあとに申し出て賞与を受け取ってから辞めるのは、日本では非道徳ではなく慣例だ。ただし申し出のときに口にしないこと。もう一つは案件の区切り。区切りのあとに辞めるのと前に辞めるのとでは、上司と同僚の記憶がまったく違う。
退職届であって、退職願ではない
一字違いの二つの語。退職願は「お願い」で、会社は受理しないこともでき、本人も撤回できる。退職届は「通知」で、提出した時点で効力が生じる。辞めるなら退職届。書式は単純で、一文、日付、署名。手書きでも印刷でもよい。口頭で伝えたその日か翌日に書面を出せば、日付をめぐる争いが起きない。
引き継ぎ:頭の中ではなく、文書に
日本の会社が引き継ぎに期待する水準は、多くの国より高い。引き継ぎ書は文書だ。手元のすべての案件の状態、相手は誰か、次の一手は何か、関連する文書はどこにあるか。書くときは、引き継ぐ人が自分に一度も会ったことがないと仮定する。この文書の質が、辞めたあとの会社の最後の印象であり、元同僚がこの先あなたのために口添えするかどうかの根拠になる。
有給:最後に、だが必ず
残った有給休暇は法律上あなたのもので、会社は拒めない。慣例は、引き継ぎを終えたあとに消化して退職日を迎える。話を出すのは最後、引き継ぎの計画が決まってからにすれば、「引き継ぎもせずに休みたがっている」とは取られない。
代行を使うべきとき
上司から言葉や身体の脅しがある、または会社が退職を受理しないと明言している。そのときは代行か弁護士が正しい。それ以外では、自分で一度伝えることのほうが、代行に伝えてもらうより、この市場でははるかに価値がある。会社より、上司を選ぶは入る前に上司をどう見るかの話で、この記事は出るときの話だ。両端を正しくやれば、あいだの期間で事故が起きにくい。
前回辞めたとき、最初に知った人は誰だっただろうか。
記事にするほどではない日々の気づきは、LinkedIn に書いています。LinkedIn をフォローする